2022年12月04日
【メバル シーバス何でも恋】 >
> 2021年11月19日の事故を振り返って
満月と膝小僧
これから書くのは満月の夜中にゴロタ浜のちょっと小高い岩の上で釣りをしているときにケガをしたお話です。
今後、釣り人に少しでも参考になればと、頭の片隅にこんな話もあったなと覚えておいてもらえれば少しは事故率も変わるのではないかと思い少しユーモアも入れて実話を書いてみました。長いですがすぐに読めると思いますのでどうぞ。
2021年11月19日
深夜の12時をこえた頃にウェットスーツを着ていつものゴロタ浜に釣りに向かいます。
ターゲットはヒラスズキとメバルです。
もちろんライフジャケットとウェーディングシューズ(フェルトスパイク)は着用しています。
満月なので潮は大潮なのは釣人なら想像がつくと思いますがこの時間帯は1番潮がひいている時間でした。
ですので普段海面に顔を出すか出さないかの岩が完全に陸繋がりとなります。
そんな状況の中、私はゴロタ浜の先端のちょうどおにぎりの様な感じの形をした岩の上に立ってルアーを投げていました。
立っていられるのは両足を揃えたその1箇所だけです。
周りには似たような岩が何個かありその岩と岩の間は海水で満たされています。水深は深いところで1m位でしょうか、常に波が水面をかき乱しているので海の中の様子は明確ではありませんがたまにちらっと覗けるような瞬間もありました。
私は夜中に一人で釣りをしているときは大抵、歌を歌っています。
シンキングペンシルを投げて着水したらゆっくりとリールを巻きながら気分良く声をだして歌っています
そうです、曲のテンポにあわせてリールのハンドルを回します。
釣れないときはワザと変拍子のリズムを使ったりもします
以前にこんなことを釣り雑誌の記事に真面目に書かせてもらいましたが全カットされました
カットは別にいいとして、銀行口座まで聞いといてギャラも振り込まれない悪徳出版社でした
話しが大きく飛びましたがおにぎりの様な岩の上でリールを巻きながら宇宙をみあげるとそこにはまんまるのきれいなお月さまが煌々と輝いて・・・
その上をむいた瞬間です、ぐらぐらっと立ちくらみというかめまいの様なものがして大きくバランスを崩しました。
その岩の上に立っていられなくなり横の岩に片脚をだして飛び移りそれでもバランスがとれず、何個かの岩の上をケンケンパ状態で飛びましたが、このままでは転んでロッドは折るし怪我もするだろう予想したので、ちょっと寒いだろうけど思い切って右足から海の中に飛び込みました。
その瞬間です!
右足に激痛が〜
もう一瞬、自分の脚がなくなったのではないかと思うくらいの衝撃でした。
岩の間に脚がスッポリと入ってしまったようです。
この時点で完全に足の骨が折れたのは自分的にはわかりました。
それと同時に激しい吐き気がしてきました。
下半身が海に浸かったままヤバいこれもう絶対に歩けない、潮が上げに入ってきていてグングン潮位も上がってきたら間違いなく死ぬ、ということが脳裏をかすめました。
とりあえず救助を呼ばなければ!
携帯電話は防水ではないので防水袋にはいってライフジャケットのポケットにありますが、なんと表現したら良いかわからないけどかがんだ状態でライフジャケットのポケットからなんとかスマホを取り出しビニールの上からボタンを押して画面を光らせるも、普段、顔認証、指紋認証なので暗闇、水浸しで当然ロックはすんなり解除されるわけもなく暗証番号を打たなくてはならないが水で濡れていると誤作動が凄くて押している数字の横の数字とかが反応してしまい中々ロック解除ができない。
次々に波は来るし激痛に耐えながらなのでそれこそもうダメかもとか想いながらの操作。
そんな最中も月はきれいにゴロタ浜を照らしてる。
そのうち事故や病気で死んだ親友達の事が頭をよぎってきて、ここで死んではいけない。
生きなければ!
なんか急にそんな感情になった。
腕を伸ばしてなるべく水がかぶらないようにしてなんとかロック解除成功!
レスキューに電話しても場所の説明などが上手く伝わらないと思ったのとその間にスマホでも落としたり更には激痛で気絶でもしたらその時点でおしまい。
そう思い妻からレスキューに伝えてもらった方がと妻に電話する。
夜中の1時位だったけどすぐに電話に出てくれてラッキー!
(普段、電話に気が付かないで中々出ないことがちょくちょくあるので)
釣りをしている場所は何度も一緒に行ったことがあるので、骨が折れて動けないからとにかくここにレスキューをよんでもらう事だけを伝える。
そんな事をしている間も潮はどんどん満ちてきてしまうのでどうにか水のないところまで行きたい。
しかし、立てない状態で腕だけで大きなゴロタを移動するのは至難の業。
命を守るためのライフジャケットが重いし岩に引っかかってこれがかなり厄介。
脱ぎたくてもガッチリ装着したライフジャケットを寝転がった状態で脱ぐこともままならず。
持っていたタックルも命考えたら置いてくればよいのにロッドとリールの合計金額が15万と思うとできる限りなんとかならないかと思うのが釣り人の性
自分の進む方向に傷がなるべくつかないように軽く投げて・・・
大きな岩の間を少しづつ腕の力だけで進むと水の中にちょっと座れる様な感じの石があったのでここで足を触ると膝がない
膝が完全に砕けていて骨が散らばっているのが触ってわかった。
今考えると全く無意味だと思うが怖さからか無意識に膝の方に骨を一生懸命集めようとしていた自分がいた。
砕けた骨を指先で鮮明に感じる事ができた。
これぞ手に取るようにわかるという言葉の語源か
冗談はさておきライフジャケットが脱げる体制にもなれたのでライフジャケットを外してこれも進む方向へぶん投げる!
ここでの水深は膝下程度、水が完全にないところまではたかが5m位だがこれが長い永い。
とここで電話が鳴る!
が、
しまった、ぶん投げたライフジャケットの中だ!
ぶん投げたといっても身体1つ分位先にある。
が、辿り着く頃には電話は切れていてまたロック解除からやり直し。
波がこないところまでは来ていたのでさっきよりは楽に解除成功。
とその時また消防署からである。
まさかの場所がわからないとのこと
うちの妻から聞いてないのか?
激痛の中しばらく(散々)説明したけどよくわからないようなので、
国道のこの場所から海の方向をみてくれ、ヘッドライトを点滅させてるからそれが私だと伝え、しばらくするとサイレンと共に消防車到着。
しばらくするとふたりの隊員がゴロタ浜をなれない足取りで私のところまで来てくれた。
一人は他の隊員に場所を伝えに戻り、もう一人は若い女性隊員で私の所に残ってくれていた。その最中、気を紛らわせようとしてくれているのはありがたいだが、聞いてくることがちょくちょくどうでも良いことで「何釣りしてたんですか?」とか「スズキって大きいですよね〜」とか
私の心の中では、早く運んでくれと願うばかりであった。
そうそう、それより今も潮がどんどん上げてきているからここもすぐに海の中になってしまうことを伝える。
ここで、事故からすでに1時間近くが経つであろうか。
風が吹いてきてずぶ濡れの体が寒い寒い。
すぐに男性隊員数名がストレッチャーを持って到着すると私を乗せるがゴロタ浜を運ぶことが中々できない。
そりゃフェルトスパイクなど履いている訳ではないし、履いていたとしてもゴロタ浜を長距離スムーズに移動するのは無理であろうと、私は安易に想像できたが・・・
こっちは寒くて死にそうだが隊員さん達は暑くて半袖になっている方もチラホラ。
自分の為に多くの人達が文句一つ言わずに真剣に救助してくれてる姿を目のあたりにして「申し訳ない、ありがとうございます」の言葉を連発させることだけが担架に縛られた私にできる唯一のお礼であった。
6人か8人がかりか覚えてないがなんとか潮が満ちてきても水がこない場所まで運んでもらえたが・・・
これ以上ゴロタ浜を長距離運ぶのはきついと判断して、国道からクレーン車でテトラ帯をこえてストレッチャーごと私を吊るというが・・・
結局クレーンが届かないのでテトラの上まで私を運んでそこからクレーンで吊り上げる作戦へ。
急な勾配のテトラ帯を何人もの隊員の手で少しづつ運ばれるのだが当然私を縛り付けた担架(ストレッチャー)は縦になったり落ちそうになったりで隊員さん達も勾配きちぃを連発
私も信じるしかできないが不安感満載よ〜
このとき勾配ニキがすでに世に出ていたなら隊員達の口から出る言葉も楽しかったであろう。
やっとテトラ帯の頂上にたどり着くといよいよクレーンからロープが降りてくる。
ここでの私の頭の中はデイブ・リー・ロスがスカイスクレーパーのコンサートで天井から吊られてる様をイメージしていてちょっと楽しかったのであった。
もちろん頭の中でかかっていた曲は
ジャスト・ライク・パラダイス
ここからはトントン拍子で国道に停まっている救急車まで一直線!
国道には消防車、パトカー、救急車が何台も停まっていてその中で妻が警察から聴取されている光景と私のタックルを大事に持っていてくれた女性隊員の姿だけが今でも焼き付いている。
救急車で時間を見ると朝の4時過ぎになっていて毛布はかけてくれていてももう低体温症で寒いのなんの。
結局救助開始から救急車まで2時間以上もかかってしまったのだが事故現場から救急車までの距離は100mもない。
私が這いつくばったゴロタの距離なんか5mとか10m。
たったのそれだけかと思うかもしれないが体力のない非力な人だったら死んでいるかもしれない。
または冷静な判断ができなければ死んでしまったかもしれない。
頭でも打っていたら、腕も骨折していたらなどと考えると間違いなく死んでしまったであろう。
夜に一人で足場の悪い釣り場に行くことはなるべくしないほうが良いのかもしれない。正直道路歩いていても車が突っ込んでくるかもしれないことを考えると行くなとは言わないし言えないがなるべくなら2人以上で行動してもらいたい。
また、ライジャケはもちろんだけど転びやすい岩場に行くときはニーパッドやエルボーパッド、ヘルメットも装備しないと駄目だなと思った。
今回は正直ライジャケをもっと違うタイプのにしておけば飛び込んだときに体も曲げられたので膝をぶつける事もなかったかもしれない。
また、這いつくばる時も大きなポケットが前面についていて身動きの取れないような物でなければかなり楽だったとも思う。
よくライジャケつけてないと鬼の首を取ったように指摘する人がいるけど、何が重要かを考えて海で遊んでもらいたい。
たとえば今回はゴロタ石だったからまだ良かったけどゴツいライジャケつけてテトラの間に落ちたらかなりヤバいかもしれないし、逆に途中に引っかかって水に落ちないかもしれない。
だからその釣場によって安全確保というものを臨機応変に考えてもらいたい。
常にその釣場で起こり得る事故をイメージしておけばもし事故が起きた時でもパニックにもなりにくいし、冷静な判断もしやすいのではないだろうか。
私は今回の事で沢山の人に迷惑をかけてしまい自分自身の考え方も変わったように思う。
何が変わったかはうまく説明できないけど命があることで人に対してもっと優しくなれるかもと思えるようになった。
実際に優しくなったかどうかは知らないが
2021年11月19日の事故を振り返って
満月と膝小僧
これから書くのは満月の夜中にゴロタ浜のちょっと小高い岩の上で釣りをしているときにケガをしたお話です。
今後、釣り人に少しでも参考になればと、頭の片隅にこんな話もあったなと覚えておいてもらえれば少しは事故率も変わるのではないかと思い少しユーモアも入れて実話を書いてみました。長いですがすぐに読めると思いますのでどうぞ。
2021年11月19日
深夜の12時をこえた頃にウェットスーツを着ていつものゴロタ浜に釣りに向かいます。
ターゲットはヒラスズキとメバルです。
もちろんライフジャケットとウェーディングシューズ(フェルトスパイク)は着用しています。
満月なので潮は大潮なのは釣人なら想像がつくと思いますがこの時間帯は1番潮がひいている時間でした。
ですので普段海面に顔を出すか出さないかの岩が完全に陸繋がりとなります。
そんな状況の中、私はゴロタ浜の先端のちょうどおにぎりの様な感じの形をした岩の上に立ってルアーを投げていました。
立っていられるのは両足を揃えたその1箇所だけです。
周りには似たような岩が何個かありその岩と岩の間は海水で満たされています。水深は深いところで1m位でしょうか、常に波が水面をかき乱しているので海の中の様子は明確ではありませんがたまにちらっと覗けるような瞬間もありました。
私は夜中に一人で釣りをしているときは大抵、歌を歌っています。
シンキングペンシルを投げて着水したらゆっくりとリールを巻きながら気分良く声をだして歌っています
そうです、曲のテンポにあわせてリールのハンドルを回します。
釣れないときはワザと変拍子のリズムを使ったりもします
以前にこんなことを釣り雑誌の記事に真面目に書かせてもらいましたが全カットされました
カットは別にいいとして、銀行口座まで聞いといてギャラも振り込まれない悪徳出版社でした
話しが大きく飛びましたがおにぎりの様な岩の上でリールを巻きながら宇宙をみあげるとそこにはまんまるのきれいなお月さまが煌々と輝いて・・・
その上をむいた瞬間です、ぐらぐらっと立ちくらみというかめまいの様なものがして大きくバランスを崩しました。
その岩の上に立っていられなくなり横の岩に片脚をだして飛び移りそれでもバランスがとれず、何個かの岩の上をケンケンパ状態で飛びましたが、このままでは転んでロッドは折るし怪我もするだろう予想したので、ちょっと寒いだろうけど思い切って右足から海の中に飛び込みました。
その瞬間です!
右足に激痛が〜
もう一瞬、自分の脚がなくなったのではないかと思うくらいの衝撃でした。
岩の間に脚がスッポリと入ってしまったようです。
この時点で完全に足の骨が折れたのは自分的にはわかりました。
それと同時に激しい吐き気がしてきました。
下半身が海に浸かったままヤバいこれもう絶対に歩けない、潮が上げに入ってきていてグングン潮位も上がってきたら間違いなく死ぬ、ということが脳裏をかすめました。
とりあえず救助を呼ばなければ!
携帯電話は防水ではないので防水袋にはいってライフジャケットのポケットにありますが、なんと表現したら良いかわからないけどかがんだ状態でライフジャケットのポケットからなんとかスマホを取り出しビニールの上からボタンを押して画面を光らせるも、普段、顔認証、指紋認証なので暗闇、水浸しで当然ロックはすんなり解除されるわけもなく暗証番号を打たなくてはならないが水で濡れていると誤作動が凄くて押している数字の横の数字とかが反応してしまい中々ロック解除ができない。
次々に波は来るし激痛に耐えながらなのでそれこそもうダメかもとか想いながらの操作。
そんな最中も月はきれいにゴロタ浜を照らしてる。
そのうち事故や病気で死んだ親友達の事が頭をよぎってきて、ここで死んではいけない。
生きなければ!
なんか急にそんな感情になった。
腕を伸ばしてなるべく水がかぶらないようにしてなんとかロック解除成功!
レスキューに電話しても場所の説明などが上手く伝わらないと思ったのとその間にスマホでも落としたり更には激痛で気絶でもしたらその時点でおしまい。
そう思い妻からレスキューに伝えてもらった方がと妻に電話する。
夜中の1時位だったけどすぐに電話に出てくれてラッキー!
(普段、電話に気が付かないで中々出ないことがちょくちょくあるので)
釣りをしている場所は何度も一緒に行ったことがあるので、骨が折れて動けないからとにかくここにレスキューをよんでもらう事だけを伝える。
そんな事をしている間も潮はどんどん満ちてきてしまうのでどうにか水のないところまで行きたい。
しかし、立てない状態で腕だけで大きなゴロタを移動するのは至難の業。
命を守るためのライフジャケットが重いし岩に引っかかってこれがかなり厄介。
脱ぎたくてもガッチリ装着したライフジャケットを寝転がった状態で脱ぐこともままならず。
持っていたタックルも命考えたら置いてくればよいのにロッドとリールの合計金額が15万と思うとできる限りなんとかならないかと思うのが釣り人の性
自分の進む方向に傷がなるべくつかないように軽く投げて・・・
大きな岩の間を少しづつ腕の力だけで進むと水の中にちょっと座れる様な感じの石があったのでここで足を触ると膝がない
膝が完全に砕けていて骨が散らばっているのが触ってわかった。
今考えると全く無意味だと思うが怖さからか無意識に膝の方に骨を一生懸命集めようとしていた自分がいた。
砕けた骨を指先で鮮明に感じる事ができた。
これぞ手に取るようにわかるという言葉の語源か
冗談はさておきライフジャケットが脱げる体制にもなれたのでライフジャケットを外してこれも進む方向へぶん投げる!
ここでの水深は膝下程度、水が完全にないところまではたかが5m位だがこれが長い永い。
とここで電話が鳴る!
が、
しまった、ぶん投げたライフジャケットの中だ!
ぶん投げたといっても身体1つ分位先にある。
が、辿り着く頃には電話は切れていてまたロック解除からやり直し。
波がこないところまでは来ていたのでさっきよりは楽に解除成功。
とその時また消防署からである。
まさかの場所がわからないとのこと
うちの妻から聞いてないのか?
激痛の中しばらく(散々)説明したけどよくわからないようなので、
国道のこの場所から海の方向をみてくれ、ヘッドライトを点滅させてるからそれが私だと伝え、しばらくするとサイレンと共に消防車到着。
しばらくするとふたりの隊員がゴロタ浜をなれない足取りで私のところまで来てくれた。
一人は他の隊員に場所を伝えに戻り、もう一人は若い女性隊員で私の所に残ってくれていた。その最中、気を紛らわせようとしてくれているのはありがたいだが、聞いてくることがちょくちょくどうでも良いことで「何釣りしてたんですか?」とか「スズキって大きいですよね〜」とか
私の心の中では、早く運んでくれと願うばかりであった。
そうそう、それより今も潮がどんどん上げてきているからここもすぐに海の中になってしまうことを伝える。
ここで、事故からすでに1時間近くが経つであろうか。
風が吹いてきてずぶ濡れの体が寒い寒い。
すぐに男性隊員数名がストレッチャーを持って到着すると私を乗せるがゴロタ浜を運ぶことが中々できない。
そりゃフェルトスパイクなど履いている訳ではないし、履いていたとしてもゴロタ浜を長距離スムーズに移動するのは無理であろうと、私は安易に想像できたが・・・
こっちは寒くて死にそうだが隊員さん達は暑くて半袖になっている方もチラホラ。
自分の為に多くの人達が文句一つ言わずに真剣に救助してくれてる姿を目のあたりにして「申し訳ない、ありがとうございます」の言葉を連発させることだけが担架に縛られた私にできる唯一のお礼であった。
6人か8人がかりか覚えてないがなんとか潮が満ちてきても水がこない場所まで運んでもらえたが・・・
これ以上ゴロタ浜を長距離運ぶのはきついと判断して、国道からクレーン車でテトラ帯をこえてストレッチャーごと私を吊るというが・・・
結局クレーンが届かないのでテトラの上まで私を運んでそこからクレーンで吊り上げる作戦へ。
急な勾配のテトラ帯を何人もの隊員の手で少しづつ運ばれるのだが当然私を縛り付けた担架(ストレッチャー)は縦になったり落ちそうになったりで隊員さん達も勾配きちぃを連発
私も信じるしかできないが不安感満載よ〜
このとき勾配ニキがすでに世に出ていたなら隊員達の口から出る言葉も楽しかったであろう。
やっとテトラ帯の頂上にたどり着くといよいよクレーンからロープが降りてくる。
ここでの私の頭の中はデイブ・リー・ロスがスカイスクレーパーのコンサートで天井から吊られてる様をイメージしていてちょっと楽しかったのであった。
もちろん頭の中でかかっていた曲は
ジャスト・ライク・パラダイス
ここからはトントン拍子で国道に停まっている救急車まで一直線!
国道には消防車、パトカー、救急車が何台も停まっていてその中で妻が警察から聴取されている光景と私のタックルを大事に持っていてくれた女性隊員の姿だけが今でも焼き付いている。
救急車で時間を見ると朝の4時過ぎになっていて毛布はかけてくれていてももう低体温症で寒いのなんの。
結局救助開始から救急車まで2時間以上もかかってしまったのだが事故現場から救急車までの距離は100mもない。
私が這いつくばったゴロタの距離なんか5mとか10m。
たったのそれだけかと思うかもしれないが体力のない非力な人だったら死んでいるかもしれない。
または冷静な判断ができなければ死んでしまったかもしれない。
頭でも打っていたら、腕も骨折していたらなどと考えると間違いなく死んでしまったであろう。
夜に一人で足場の悪い釣り場に行くことはなるべくしないほうが良いのかもしれない。正直道路歩いていても車が突っ込んでくるかもしれないことを考えると行くなとは言わないし言えないがなるべくなら2人以上で行動してもらいたい。
また、ライジャケはもちろんだけど転びやすい岩場に行くときはニーパッドやエルボーパッド、ヘルメットも装備しないと駄目だなと思った。
今回は正直ライジャケをもっと違うタイプのにしておけば飛び込んだときに体も曲げられたので膝をぶつける事もなかったかもしれない。
また、這いつくばる時も大きなポケットが前面についていて身動きの取れないような物でなければかなり楽だったとも思う。
よくライジャケつけてないと鬼の首を取ったように指摘する人がいるけど、何が重要かを考えて海で遊んでもらいたい。
たとえば今回はゴロタ石だったからまだ良かったけどゴツいライジャケつけてテトラの間に落ちたらかなりヤバいかもしれないし、逆に途中に引っかかって水に落ちないかもしれない。
だからその釣場によって安全確保というものを臨機応変に考えてもらいたい。
常にその釣場で起こり得る事故をイメージしておけばもし事故が起きた時でもパニックにもなりにくいし、冷静な判断もしやすいのではないだろうか。
私は今回の事で沢山の人に迷惑をかけてしまい自分自身の考え方も変わったように思う。
何が変わったかはうまく説明できないけど命があることで人に対してもっと優しくなれるかもと思えるようになった。
実際に優しくなったかどうかは知らないが
Posted by とおるチッチ at 23:41│Comments(0)
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